ケーブルモデムのＩＣについて。

ケーブルモデムのＩＣについて。

　ケーブルモデムの内部には有名半導体メーカー各社の専用ＩＣ（ＡＳＩＣ）が使われており、それらのＩＣの仕様を観察しますと将来のケーブルモデム製品の動向を読めるかも知れません。このページでは、そのような事をまとめてみました。

（１）Broadcom Corporation

　http://www.broadcom.com/cablemodem.html

　このメーカーの最新ＩＣとしては、BCM3352というのがあります。このＩＣの主な仕様ですが、

　HomePNA 2.0内蔵
　４内線分のＩＰ電話インターフェース
　無線ＬＡＮ付きの仕様に拡張可能

といった事があるようです。また、通常はBCM3415というチューナーチップと組み合わせて用いるようです。

　また技術内容の詳細が不明なのですが、同社では PROPANE という技術を盛んに宣伝しているようで、これを用いると伝送容量が約３倍になるとされているようです。どなたか技術内容の詳細をご存知でしたら、ご教授をいただけますと幸いです。

　最近ですが、BCM3349というチップが出ているのも発見しました。（２００４年に商品化？）

　それからBroadcom社ですが、２００３年６月になってからＣＭＴＳ（センターモデム）用のチップセットも発表をしているようです。

　チップの種類としては、下記の通りになります。

　BCM3214
　QAMLink・DOCSIS 2.0-based Media Access Controller (MAC)
　（全体を制御するＭＡＣチップ。このＩＣを中心として、１ＤＳ／６ＵＳ構成のＣＭＴＳを作る事が可能。）

　BCM3140
　QAMLink DOCSIS 2.0-based Dual A-TDMA/S-CDMA Burst Receiver
　（上り回線用のチップ。ＩＣ一つに、上りポート２つ分の回路を内蔵。）

　BCM3040
　QAMLink DOCSIS 2.0-based Modulator
　（下り回線用のチップ。）

（２）Conexant Systems, Inc.（元：Rockwell Semiconductor Systems）

　CX24943 ケーブルモデムＡＳＩＣ

　CN2811 チューナーチップ

（３）Imedia Semiconductor（テラヨン社の子会社）

　このメーカーは、ＤＯＣＳＩＳ　２．０対応のＡＳＩＣを販売しているようです。テラヨン社のＤＯＣＳＩＳ　２．０製品が、これを採用していると思われます。

　IM6030/IM6031 Integrated Cable Modem Processor

　このＡＳＩＣの場合、ＤＯＣＳＩＳのケーブルモデム機能だけではなく通信プロセッサ機能も内蔵しているようで、その部分はたとえばファイアーウォール、NAT、DHCP、PacketCable、CableHome といった、いわゆるブロードバンドルーター機能をこのＡＳＩＣだけ実現できるようです。

　なお、このメーカーのホワイトペーパー（技術白書）が、下記に掲載されています。

（４）Intel（元：Stanford Telecommunications Inc.(STEL))

　STEL-2176 ケーブルモデムＡＳＩＣ

　STV0396 ケーブルモデムＡＳＩＣ

（６）Texas Instruments

　http://www.ti.com/sc/cablemodem/

　TNETC4040 ケーブルモデムＡＳＩＣ